(2011/1/16) 一部加筆修正
IA向けの新しい仮想化支援機能としてVT-dと呼ばれる機能があります。
VT-dとは、仮想化されたゲスト環境から物理的なハードウェアを直接認識・アクセスするための機能を提供するものです。VT-dを利用することで、たとえばゲストOSとして動作するOSがSATAやSAS、SCSIなどのコントローラを直接認識させると、ゲストOSは仮想化しない場合と同じ方法でコントローラを制御でき、一般的にパフォーマンスが向上します。
VT-dは、CPUの特権リングの拡張であるVT-xやAMD-Vとはまた別の、CPUとチップセットで実現される機能です。したがって、VT-dの実装はVT-d対応CPUを利用しているか、チップセットおよびBIOSがVT-d対応か否かに依存します。
■ VT-dに対応した製品の判断方法
現状、現在VT-dをサポートするマザーボードは非常に数が限られています。特定モデルの製品がVT-dに対応しているか否かを判断するには、現状Xen WikiのVTdHowToページを参照し判断する方法が堅実です。
現状、 Core2 プロセッサに対応した VT-d 対応チップセットは Q35/Q45 に限られています。これらのチップセットはオフィス向けクライアントへの利用を想定したもので流通量が限られています。
Nehalem(Xeon 5500ライン)用チップセット、およびCore i7など向けのX38/X48チップセットはVT-dをサポートしています。ただし、一部マザーボードはBIOSがVT-dに対応していない場合があるようなので、やはり注意が必要です。
■ チップセットがVT-dに対応していない場合でもVT-dオプションがBIOSセットアップに表示されることがあるので注意
一部のマザーボードでは、VT-dに対応しないチップセットを搭載しているにもかかわらず、BIOSセットアップ上にVT-dの選択肢が表示されるモデルがあるので要注意です。
具体例として、 Intel DQ43AP は Q43 チップセットを搭載したモデルですが、 BIOS セットアップ上では VT-d の選択肢を Enabled に設定できてしまいます。
Intel のサイト
で参照できるデータシートによれば、このチップセットには VT-d に関連するレジスタが実装されていません。
インターネット上で「このマザーボードの BIOS は VT-d に対応しているよ!」という情報が記載されていても、実はこのようにチップセットが VT-d をサポートしていないケースがあります。VT-d の検証を目的として機器を選定する場合は、このような罠にかからぬよう、十分に注意してください。
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