2021年4月10日土曜日

高リフレッシュレート対応4K液晶ディスプレイ ASUS ROG XG27UQ を購入した

 高リフレッシュレートなディスプレイに買い換えようと思って以来半年近くたち、ようやく本命のディスプレイが手元に届きました。



今回のXG27UQは2021年2月に国内向けに発表されたモデルで、これまで秋葉原などでお店を回っても実物を見かけることはありませんでした。発表当初にすぐ予約された方は2月中に入手できたようですが、4月に入ってようやく実物が届いたぐらいで、現時点で欲しくても実物を見られる方は限られていると思います。このモデルは実売で10万円近くしますし、「失敗したくないので少しでも多く情報が欲しい」という方もいらっしゃるかと思います。このため、所感をまとめておくことにしました。

調べてみると、メーカーからテスト機を借り受けたブロガー等がすでにレビュー記事を投稿されていますし、そういった方でカバーされている分については、そういった記事にお任せすることにしました。私の記事では、他の記事ではあまり触れられていない部分について触れていこうと思います。


ファースト・インプレッション編

マニュアル冊子が付属していない

本製品は付属品として製品保証についての冊子、1枚っきりのクイックスタートガイド、およびキャリブレーションレポートが付属していますが、マニュアルは同梱されていません。スタンド部分を外す方法がわからずに困っていたところ、 ASUS のサイトにはマニュアルが PDF で存在していることがわかりました。

https://dlcdnets.asus.com/pub/ASUS/LCD%20Monitors/XG27UQ/XG27UQ_Japanese.pdf

マニュアル冊子なんて一度使い始めたらほとんど見返すこともないのは事実ですし、意図的に省略されているのでしょう。とはいえ、 10 万円近いモニタですし、今回の製品はマニュアルを見ないとよく判らない機能やギミックも積まれているモデルです。紙媒体でマニュアルが付属されていたり、もしくは少なくともURLや検索キーワード、QRコード等でもよいので、マニュアルへの案内があると良かったなと思いました。


日常の利用編

複数ソースの切り替えが面倒。ファームウェア更新による改善を期待

XG27UQ は DisplayPort 2入力、 HDMI 2入力で合計4入力利用できる点がひとつの特長です。ディスプレイです。しかし、ディスプレイの入力を切り替えるためには画面裏側右手の赤いスティックを使い、クリック→下→下→下→右と操作し、その上で入力ソースをスティックで選択する流れになっており、煩雑です。

赤いスティックの下にはゲーミングモードを設定する画面へのショートカットがふたつあります。これらのボタンで、GamePlus設定画面、およびGameVisual設定画面への直接遷移できるようになっていますが、たぶん、私は、どちらもほとんど押す機会がないでしょう。これらのボタンから入力ソースの切り替え画面へ遷移できるような設定が可能となるファームウェアアップデートに期待したいです。複数の入力ソースを接続する方の多くは、同じような感想をお持ちになるのではないでしょうか。


USB3.0ハブ機能は、ディスプレイの主電源と連動/非連動が選べる

XG27UQ は USB3.0 の2ポートUSBハブ機能を搭載しています。私の場合、ダウンストリームには、ディスプレイの付近にあるデバイスとして、Webカメラとして利用している一眼デジタルカメラ(Canon EOS Kiss X6i)とアイトラッカー(Tobii Eye Tracker 5)を接続しています。ディスプレイ自体にこの機能を求めてはいないのですが、セットアップがすっきりした点についてはメリットを感じました。


このUSBハブ機能はディスプレイ機能と独立して動きますが、ディスプレイの主電源がオンの状態でのみUSBハブが動作する連動設定と、ディスプレイの主電源の状態にかかわらず外部電源が供給されていればUSBハブが動作する非連動設定のどちらかを選ぶことができます。

工場出荷時は主電源と連動する設定になっていますが、私の場合で常時通電のデスクトップPCとの組み合わせで利用するため、USBハブが常時動作する設定に切り替えました。


ディスプレイアームとの組み合わせ利用について

XG27UQ はディスプレイアームへの取り付けに対応しています。ただし、アームの取り付け時に標準スタンドの取り外し方がすぐに判からず、マニュアルを見ながら試行錯誤したほか、この機種特有の考慮点があるので、ここで紹介したいと思います。



標準スタンドの取り外し方

この作業には、化粧パーツの取り外しにマイナスドライバー、M4ネジを付け外しするためのプラスドライバーが必要です。

工場出荷時にはスタンド用の足が取り付けられた状態になっています。足のまわりにある半リング形状の化粧パーツを取り外します。スタンドの裏を覗き込むとマイナスドライバーを差し込める隙間があるので、ここにマイナスドライバーを差し込んで化粧パーツを引き上げます。

パーツが浮いてきたら、半リング形状の化粧パーツ2点を、ディスプレイ本体から平行に離すように取り外します。取り外し時に多少力をかける必要がありますが、樹脂パーツ自体は十分な強度があるので、丁寧に外せば問題ありません。この作業を終えると、VESA規格のM4ネジが4本露出します。

足のまわりに見えてきたVESA規格のM4ネジを4本はずすと、標準スタンド用の足がはずれて、ディスプレイアームを取り付け可能な状態となります。

半リング形状の化粧パーツは取り外したスタンドに取り付けられるので、保管時にはスタンドにはめて保管しておくとよいでしょう。


VESAマウントのネジ穴は25mm の窪みの中にある

ディスプレイアームの種類によっては、カメラのクイックシューのように、あらかじめディスプレイ側に小さな部品を取り付けておいて、設置済みのディスプレイアームに固定できるような機能をもった物があります。このような場合VESA標準のネジ穴のまわりに十分なクリアランスが必要です。また、スタンドを非純正品に交換した場合にも注意が必要なポイントでしょう。

今回は colebrook bosson saunders 製の Wishbone ディスプレイアームに取り付けるつもりでいたので、この部分は気になっていましたが、結果的には十分なクリアランスがあり、Wishbone アームに対して、問題なく載せたり外したりできることが確認できました。 


ディスプレイアーム利用時、ビデオ用ケーブルを完全に隠せない

XG27UQ は下側から DisplayPort/HDMI などのケーブルを差し込みます。標準スタンドを利用する場合にはあまり気にならないでしょうが、ディスプレイアームに載せる場合は、ビデオ用のケーブルが正面から見えてしまう可能性があります。

がんばって隠すことも不可能ではないのですが XG27UQ は DisplayPort 1.4 に対応した 4K 144Hz 対応のディスプレイで、これを利用する場合には DisplayPort 1.4 に対応した比較的太いケーブルを使用することになるのではないでしょうか。

しかし、上向きに刺さった太いケーブルをディスプレイの裏側で片付けるだけの十分なスペースがないため、正面から見たときには、ビデオ用のケーブルはディスプレイの下側に少し見えるぐらいのセッティングに落ち着くかと思います。もちろん気合いで見えないように隠してもよいでしょうが、アームを動かしたときにケーブルやコネクタに負担がかからないようにある程度の遊びも必要ですし、この点は諦めることにしました。


その他編

当然ながら 4K 144Hz には高品質なケーブルが必要

これまで、2012年に購入した 7m の DisplayPort 1.2ケーブルでPCとディスプレイを接続し、4K 60fpsで動作させていました。このケーブルを利用していたのは諸事情により「手元で余っていた」というのが最大の理由です。(今でも未使用の新品が1本手元にあります...)

このケーブルでも 4K 144Hz はいちおう映ったのですが、不定期に画面がブラックアウトする現象が発生しました。恐らくケーブルの品質的に映像信号が時々乱れているのだと想像できます。

FullHD 144Hz に対して 4K 144Hz は時間あたりに表示するピクセル数が4倍になります。このためビデオケーブルの中を流れる信号の速度が上がっています。 Wikipedia の DisplayPort ページで調べてみたところ、 4K 144Hz は DisplayPort 1.4 仕様からの仕様で、ケーブルの中を 25.92Gbps の信号が流れているようです。 1.2 の時代は 17.28Gbps だったので、データの転送量が1.5倍になっていて、恐らくそれだけDisplayPortケーブル内のビットクロックも上がっているようです。

ディスプレイに付属する DisplayPort 1.4 ケーブルを利用することも考えましたが、手元では昇降デスクやディスプレイアームを利用しており、 3m 程度のケーブル長を必要としていたので、 3m の DisplayPort 1.4 対応ケーブルを購入して交換しました。

また、ビデオカードの DisplayPort コネクタの片方が緩いようで、本体への衝撃ですぐブラックアウトしてしまう事があったので、もう片方の DisplayPort コネクタに装着して安定を確認しました(ビデオカードのメーカー保証で交換依頼をしてもいいかもしれませんが、手間を考えるとこの対応でいいかなぁと思っています)。


MacBook Pro 16インチ (2019) から HDMI で 4K 60Hz で安定出力できている

MacBook Pro から 4K 解像度で出力する際になかなか安定しないイメージを持っていましたが、XG27UQ では HDMI ケーブルを接続するだけで 4K 60Hz で出力された点が拍子抜けでした。ここ一週間ほど、ノートラブルで動作しています。

LG 社のディスプレイでは 4K 60Hz を受け付けるためには追加の設定(DeepColor)が必要だったりして、この設定を行うと映る時と映らない時があるなどしてストレスを感じたので DisplayPort 接続による 4K 60Hz もしくは HDMI 接続による 4K 60Hz を使い分けていました。

不都合が感じたら DisplayPort での 4K 60Hz に切り替えることを考えるでしょうが、実用上問題を感じないうちは、試しに HDMI の 4K 60Hz で使ってみようかと思います。


まとめ

XG27UQ は、4系統入力の4K解像度・高リフレッシュレートディスプレイとしては期待通りの仕上がりだと感じています。

一点だけ不便な点を挙げるとすれば、入力系統の切り替えに必要な操作数が多いことです。この部分は4系統入力を魅力に感じて購入するユーザーにとっては非常に重要なポイントです。もしエンドユーザ側でファームウェアアップデートが可能な仕組みが用意されているのなら、後からでも改善できる点ですから、ASUSには是非検討を御願いしたいところです。

これまで液晶ディスプレイといえばシャープ、LGなど自社で液晶パネル技術を製造できるメーカーの製品を利用していました。今回のASUS ROG XG27UQは実売価格で10万円近くするモデルで、下手な4Kディスプレイの2倍以上の価格です。ASUS自体は液晶パネルを作れるわけではないので買ってきている(というか製品規格だけで、他メーカーに仕様を指定して生産させている可能性も高い)メーカーですので、正直に言えば、そういったメーカーの製品を選定すること自体に抵抗もありました。最初の一週間から「買わなければ良かった」みたいな悪い印象にもならず、ホッとしています。

To Be Continued

フォトトランジスタを使って応答速度などをの特性を測定しているため、結果がまとまったら続編としてまとめたいと思います。

2021年4月8日木曜日

Radeon RX 6800 XT の OpenCL を有効化する

Radeon RX 6800 XT で OpenCL プログラムを動かそうとすると、OpenCL プラットフォームとして同 GPU が列挙されてこなかったので、調べたら、レジストリをちょっと弄る必要があるっぽい。どうやら OpenCL プログラムはこのキーから OpenCL プラットフォームの実装を見つけてるようだ。


Radeon のドライバをインストールもしくはアップデートしたタイミングで、以下のようなディレクトリ、ファイルができる。

C:\Windows\System32\DriverStore\FileRepository\*.inf_amd64_*\amdocl64.dll


amdocl64.dll のフルパスが確認できたら、 regedit.exe を起動して、 コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINES\SOFTWARE\Khronos\OpenCL\vendors に、以下のキーを作成する。

  • 名前: 上記 amdocl64.dll のフルパス
  • 種類: REG_DWORD
  • データ: 0x00000000 (0)
このキーを作成した後に OpenCL を利用するプログラムを実行すると、 Radeon GPU が OpenCL デバイスとして認識される。もし認識されない場合は amdocl64.dll へのパスがおかしいとか、過去のドライババージョンの amdocl64.dll へのパスになっていないかを確認するとよさそうだ。

手元で Radeon のドライバを更新するたびにコレでひっかかってる気がするが、どうしてドライバのインストール時に自動的にやってくれないのかねえ。何も見ずに何すればいいか思い出せるほどの頻度でやることではないが単純作業ではあるので、いっそのことツールなど書いて自動化すると幸せかもしれない。。。

2021年3月14日日曜日

ゲーミングディスプレイは本当に役に立つのか?

2021年にもなって、久々にFPSとしてApex Legendsをプレイしている。ヘタクソなのはそうなのだが、恐らくこの半年間でPS4 Pro/PC版あわせて700~800時間はプレイしているはずだ。久々にFPSをプレイしているので、ゲーミングディスプレイを試して、比較してみることにした。

ゲーミングディスプレイに対する謳い文句への懐疑感


これまで LG 27UD55-BK と LG 27UL850-W (どちらも 27インチ4K液晶)をデュアルディスプレイにしていて、このうち、 2020 年に購入した 27UL850-W をゲームプレイに使用していた。このディスプレイはどちらかと言えば発色などがキレイなことがウリだ。

もちろんリフレッシュレート60Hzの液晶ディスプレイが十分だとは思っていなかった。もともと私は初めてのFPSといえば液晶ディスプレイが普及する前である1990年代の初代DOOMだし、また2000年前後は三菱のダイアモンドトロン管ディスプレイ RD17V で、100Hz 程度のリフレッシュレートでFPSを遊んでいた経験があるので、液晶ディスプレイかつ60Hzが大きな制約であることは理解していた。敢えていえば液晶になる前なら100Hz程度は当たり前だった。また最近のトレンド Oculus Rift などのヘッドセットを見ていても、60Hz では不足だが 90Hz もあれば脳を騙せることが知られているので、60Hzで足りなくても、100Hzぐらいの頻度で更新されれば十分だろうと思っている。

しかし、周りのプレイヤーからは「60Hzよりも高リフレッシュレートのほうがよい」だけで終わらず、「敵レジェンドが止まって見える」「ディスプレイを変えるだけでキル数が増える」などという主張をされるし、販促ビデオでは相手より素早く反応できると謳われている。果たして、そこまでの効果があるのだろうかと、懐疑的に思っていた。

買おうと決意したものの、欲しいものの在庫がない


とはいえ、そろそろゲームに適したモニタが欲しくなってきた。コロナ禍でほとんど外出することもなく、スノーボードは2シーズン連続でスルーしており、月々の大きな支出としては家賃とメシ代(自炊するようになったため2年前の1/4〜3/1ぐらい)ぐらいなのだ。この半年で FPS を500時間以上プレイしているのだから、多少投資してもいいのではないだろうかと。

実は 11 月頃にゲーミングディスプレイの購入を決意したが思ったようなモデルがなく、2月に ASUS が発表した XG27UQ (4K 144Hz)をバックオーダーしている状態である。手元の古いLG 27UB55(27インチ 4K)で何十秒も残像が出る不具合が出ているので、買い換えるなら、同じ利用感で仕事にも使えるゲーミングディスプレイを、と思い、このモデルにたどり付いた。

しかし、昨今の自動車をはじめとする部品不足問題のためか中々納期が確定せず、少なくとも3月中にも手に入らないことがほぼ確定的になった。この機種に限らず、ある程度スペックや型番にこだわりを持って液晶ディスプレイを購入しようすれば、流通量の少なさにすぐ気づくだろう。正直なところ現時点で表示されている納品時期が守られるのかも判らない。

とりあえず、繋ぎのつもりで買ってみた


今回は MSI Optix G241 を購入してみた。スペックを妥協して市中在庫から選べば3万円でお釣りがくる価格感だ。半年近く「ゲーミングディスプレイの在庫がネェ……」と考える日々が続いていたことを考えたら、さっさと買ってしまったほうが精神的に良かったのではないかとさえ思える。

中途半端なものを買いたくなかった最大の理由は、設置場所の都合だ。27インチ×2+MacBook Proでギリギリだったが、やむを得ず、なんとか3枚目のディスプレイを追加した。ディスプレイアームに載せてあるので利用シーンによってある程度片付けたり引っ張り出したりはできる状態にある。

とりあえずの印象


早速 Optix G241 を Windows PC に繋げてみると、マウスカーソルの動きがかなり滑らかになった(というか見える残像が増えた)のはすぐわかり、印象的だった。ウインドウのドラッグなども全体的に滑らかになっているのもわかる。

Forza Horizon 4 を動かしてみると 60Hz と 144Hz では高速道路を高速巡航しているときに横を流れていく鉄柱の滑らかさが印象的だった。

過去に多少試したことがある Aim Lab を改めて試してみると、これまで 30,000 点ちょっとの印象だったテストで 50,000 点台が出てきて驚いた。ただ、ディスプレイの変更だけでなく自分のプレイスキルの向上もあると思うので、そこは考慮しないといけない(特に最近は Apex Legends の仕様アップデートに伴いウイングマンでの練習をはじめている)。


ゲーミングディスプレイによるメリットはこの時点である程度体感できていたが、もう少し定量的に比較してみることにした。

比較環境のセットアップ


今回は GPU (Radeon RX 6800 XT)から、これまで使っていた 27UL850-W (60Hz 4K 5ms) と今回の Optix G241 (144Hz FullHD 1ms) を DisplayPort で同時接続し、 Windows の機能で両方のモニタに映像をミラーする。なお、 Windows の機能で画面をミラーした場合に遅延が増加するかどうかは判っていなくて、この部分を定量的に測定する方法を持っていないので、この観点については無視する。

フレッシュレートは各ディスプレイの最大値が適用されているので、従来のディスプレイでは 60Hz 、ゲーミングディスプレイでは 144Hz で表示される状況となる。これで、どちらを見るかだけで利用できるディスプレイをスイッチできる環境ができた。

定量的に比較できるように、引き続き Aim Lab を使って、プレイ中のディスプレイの表示状況をデジタルカメラのビデオ撮影機能で 60FPS 撮影し比較することにした。ディスプレイの前に三脚を立てて、富士フィルムのX-T3カメラで両方のディスプレイを撮影できるようにした。ひとつのカメラのセンサで両方のディスプレイの出力映像を記録することで、1コマ単位で見比べて比較できる。

もちろん、本来 60Hz と 144Hz の違いを検証するのなら 60FPS では不十分だ。少なくとも 144Hz の倍の 288Hz(FPS) 前後のフレームレートで撮影したほうがいいだろうが、私はそこまでの機材は持っていないから、手持ちの機材でできる範囲での検証とする。


写真左側が LG 27UL850 、右側が MSI Optix G241だ。

なお、正面からの撮影ではないとはいえ、この写真で見ればわかるとおり、発色については Optix G241 に対して 27UL850 のほうが圧倒的にキレイだ。手元で試している限り、 27UL850 と比較できる環境で見れば、 Optix G241 は全体的に色褪せて見える(色温度などの設定でカバーできる範囲ではない)。これらは両方とも IPS パネルだ。


応答速度を比べてみる


とりあえず動画撮影をしながら、両方のモニタで Aim Lab を比較してみたところ、今回購入した G241 のほうがボヤケが明らかに少ないことがわかった。このため目が疲れにくい印象を受けた。これは動画からフレームを切り出してみても判る。


この写真では下にあったターゲットをエイムしてから上にあるターゲットに移ろうとしているが、その際に27UL850ではひとつ前のフレームが残像として映っている。実物では、この残像がボヤけに見えている。Optix G241では、この残像感がとても抑えられている。60Hz 5msのスペックを謳うディスプレイの残像は、デジタルカメラを用いて60フレーム/秒で撮影したレベルでも十分に記録できるほどだった。

表示遅延を比べてみる


録画を確認するとOptix G241のほうが常に若干新しいフレームが描画されていると感じられる。実際には144Hzのリフレッシュレートで更新されていることもあり、操作に対してダイレクトにフィードバックがかかるので、エイム操作がしやすくなる感覚はあった。

動画の各フレームを確認していくと、以下のフレームが見つかった。28UL850では過去のフレームに対して新しいフレームが表示されようとしており、Optix G241ではより新しいフレームが表示されている。


どちらのディスプレイでも、いちばん右のターゲットにはこれから表示される武器の陰がかぶっているが、このかぶり方が非常に似ているのは面白いポイントだと思う。144Hzのほうが明らかにより新しいフレームが表示されている。しかし、60Hzモニタは更新頻度が低いとはいえ、特別に遅延が大きいわけではないようだ。

遅延がどれぐらいあるかはカウントダウンの瞬間などを比較するとわかりやすい。5,4,3...とカウントダウンがなされる時の60Hzディスプレイでの描画の遅れは、表示開始までの遅延は1フレーム(16.6ms)前後、表示が安定するまで2フレーム(32.2ms)未満だった。



1/144秒毎に更新されているディスプレイとの比較として考えると、1/60秒毎にしか更新されておらず、画面の残像感が1フレーム分残る液晶パネルであることを考慮すれば、妥当な挙動だ。32.2msはデジタルカメラの撮影機能が60FPSであることから想定した最悪値だ。実際の遅延はこれより少ないだろう。

ゲーミングディスプレイの宣伝文句は本当か?


ゲーミングディスプレイの宣伝文句として「フレームレートが高いほど、相手がより早く見える」といった表現がされていたり、それをイメージさせるデモ映像がある。

今回の比較を見る限り、あの宣伝文句はかなり大げさな表現だが、一般的な 60Hz ディスプレイと比べれば確かに10~20ミリ秒ほど早く画面上に敵が映り込んだり、より新しい位置に敵が見えたりするのは事実だろう。

とはいえ、10ミリ秒を切ってくると現在のインターネットにおけるピア間の遅延のほうが大きくなりうるし、それをごまかすための補間や予測などもされているわけなので、まあ、そうね、というレベル感で捉えている。

実際のゲームだとどうなる?


同じように Apex Legends でダミー撃ちする映像をフレーム単位で見てみたが、複雑なApex Legendsの画面は144Hzを60FPSで録画しても、複数フレームが同時に映りこんで逆に破綻した画像になってしまった。体感と異なり144Hzの画像のほうが見づらく、紹介に紹介するような内容にならなかったので、ここでは省略する。

感覚的には、マウス操作による視線移動が発生した場合にダミーや周りの景色がはっきり見えることにより、プレイしやすくなると感じた。

ゲーミングディスプレイはゲーミングディスプレイだった


今回、はじめて60Hzを越えるリフレッシュレートに対応した液晶ディスプレイを買ってみたが、ゲーム画面が見やすくなるなどのメリットが確認できた。特に、 FPS のように視点移動によって画面の表示が大きく変化するようなゲームでは、残像感が大幅に減少するため、疲れにくくなりそうだ。

まだ「ゲーミングディスプレイにするだけでキル数が伸びる」かどうかはわかっていないが、ぼちぼち実践で試してみようと思う。

2021年1月16日土曜日

コロナ禍でやっと自宅ごはんが定着してきたアラフォーのキッチン環境の話

自炊なんてする気はまったくなかったのに、コロナウイルスのせいで日々の95%の食事が自炊になってしまった。まあ、自炊と言えるほどのしっかりした自炊でもないので、敢えて自宅ごはんと書くことにしよう。

コロナウイルスが話題になりはじめてからの直近1年弱で、購入してよかったと思えるキッチン用品などを挙げてみる。


冷蔵庫: SHARP SJ-GW41F

シャープ SHARP プラズマクラスター 冷蔵庫 どっちもドア(両開き・ガラスタイプ) 幅60.0cm スリムタイプ 412L 5ドア ホワイト SJ-GW41F-W

最近まで、2004年の就職のタイミングで購入した130L台の小さな冷蔵庫を使っていたが、日常的に自宅で食事を準備しようとすると、容量的にはかなり不満を感じるサイズだった。また、1-2年前から変なリレー音が聞こえるようになっていたので、冷蔵庫を買い換えたいと思っていた。

ペットボトル等の飲料類がたくさん冷やせることを求めると観音開きは自分に向いていない気がして、また転居の際にもドアの方向がネックにならないようにと考えてシャープの両開きドアにした。別にもっと大きいサイズの冷蔵庫でもいいかなと思ったけど、412Lであれば当面は不自由ないだろうし、横幅600mmであれば転居の際に冷蔵庫の設置場所が制約事項になることはないだろう、という判断でこのサイズに決めた。


しばらく使ってみて感じるのは、もっと冷凍スペースが大きくてもいいかな、という事。冷蔵庫が割とスカスカで、冷凍庫の利用率が非常に高い(後述するエアオーブンが非常に便利だからだ。冷蔵庫とエアオーブンの相乗効果とも言えるかもしれない)。


水切りラック: ヨシカワ 1306081

ヨシカワ 日本製 水切りラック シンクサイド 幅の広がる 2段水切り 15~27.5×57cm 1306081

キッチンの左側スペースに余裕があったので、この奥行きにあわせた水切りラックを購入した。二階建てで、自炊初心者には贅沢すぎるようなサイズである。

後に包丁ホルダーも購入した(同社製品もあるが、私は他社製品を組み合わせている)。これをつけて以降、メインの包丁の定位置はココになった。外れて危ないのではないかと言われることがあるが、インシュロックで固定してあるので、震度7の地震でラック全体がひっくり返る状況でもなければ包丁が飛び出すことはない。


食器棚を持っていないためシステムキッチンの収納スペースしか食器や調理器具の格納場所がなく不便なので、褒められた状況ではないが、水切りラックにモノが残りがち。その状況で、このサイズ感はとても便利に使っている。

この水切りラックはいまの賃貸物件のキッチンの作りにぴったりな仕様のものにしてしまった。日本メーカー製で比較的高級ナモノだけど、将来引っ越しをしたときには、この水切りラックがうまく使えないかもしれない。でもいまのキッチンでの日々が幸せだから、それはそれでいい。


炊飯用の鍋: ストウブ ココットでゴハン S

staub ストウブ 「 ラ ココット de GOHAN ブラック S 12cm 」 ご飯鍋 炊飯 1合 鋳物 ホーロー 鍋 炊飯器 【日本正規販売品】 La Cocotte de GOHAN 40509-653

何年か前に、購入から15年ほど経過した炊飯器の蓋部分が壊れてしまい、それ以後自宅で炊飯できなくなっていた。新しい炊飯器はコレを買う1年前ぐらいから探しはじめていて、ふるさと納税で入手しようかとか、折角だから美味しく炊ける炊飯器がいいなとか色々と考えて市中のラインナップを見ていたのだが、特に美味しそうに炊飯できそうなのはファミリー向けサイズで、私のような独身にちょうど良さそうなサイズのものはあまり選択肢がないと感じていた。

このホーロー鍋に水 200ml と米 1合をいれてしばらく時間をおいた後、ガスコンロ強火で一気に沸騰させて、沸騰したら一度全体をかき混ぜ、蓋をして弱火に。5分後に火を止めたら10分ほど蒸らし、食べられる。炊飯にかかる手間は、強火の間の数分間と、キッチンタイマーからの割り込みが発生した瞬間だけ。平行で洗い物などをしているとこの時間はロスには感じないし、炊飯器での炊き上がりまで数十分待っていた頃がバカらしくなる手軽さである。

米はゆめぴりかの無洗米を使っているので、といではいない。とぐ手間が発生すると自分的にはかなりハードルが上がるかなと思う。毎回1合で炊いているが、大抵は0.5合ぐらいでよかったりもするので、半分はジップロック容器に移して冷凍している。冷凍された米は容器から出してジップロック袋に移し、過去に炊いたが食べていない米はストックしている。本当にすぐに食事にありつきたい時などは、このストックが活躍している。

このホーロー鍋は底の径がかなり小さいので、標準的なガスコンロでは標準の五徳に乗らない。このため、小さい鍋などが載せられる五徳を併用している。

パール金属 五徳 ブラック 外径14cm 鉄鋳物製ミニ ホーロー加工 フェール HB-4198

実はいま使っているのはふたつ目。洗い物を終えた後にガスコンロで加熱して乾かしたりしていたのだが、ひとつ目の個体を加熱しすぎて底を割ってしまったので、二つ目を購入した。空焚きしてはいけないのだが、温度センサーつきのガスコンロだから大丈夫だろうと油断していたら破損してしまった。まあ底が割れていても使っていいみたいだけども、表面のガラス質が欠けていてカケラを食べるるのは気持ち的に嫌だし、錆びやすくもなっており扱いが面倒で、買い直した。


包丁: 京セラ セラミックナイフ

京セラ 包丁 ファイン セラミック 三徳包丁 16cm グリーン 漂白 除菌 対応 無料研ぎ直し券付 Kyocera FKR-160GR

これまで2000円程度の包丁を使っていて、研いでみたりもしたけども、やはり慣れていない人間が研いでもなかなか切れるようにはならなかった。このセラミックナイフは今のところ非常に快適に利用できている。タマネギを切っていても目が痛くならないだけでも大変助かっている。固い食材に対してだと刃が欠けたり、捻ると割れたりというリスクはあると思うが、そういう事はしないように注意している(場合によっては古い包丁を併用)。


エアーオーブン: レコルト Air Oven エアーオーブン ノンフライヤー RAO-1 

レコルト Air Oven エアーオーブン ノンフライヤー RAO-1 レッド

妹の家で、フィリップス製のノンフライヤーでフライドポテトをさくさくっと作っているのを見て、ノンオイルフライヤーは便利で良さそうだなと思っていた。ただ、フィリップス製のノンオイルフライヤーはもう廃番になっており、中古品しか市中では見かけないので、代わりになるものを探していた。グリルやオーブンレンジの代替として利用しているが、かなり手軽に使えるので気に入っている。購入してからの利用頻度は当初を想像を大幅に超えて高い。

このモデルは、ノンオイルフライヤーというよりは、製品タイトルにあるとおりエアオーブンだ。中に電熱器とファンが入っていて、稼働中に空気をかき混ぜる仕組みになっている。フィリップスの本物なノンフライヤーは掃除機並の音を出していた(それぐらい空気を高速に循環させている)が、この製品はそこまでのものではない。

本物のエアフライヤーと比べれば格段に静かなので集合住宅で真夜中に使っても迷惑をかけない点はメリットだが、ノンフライヤーとしてはパワー不足。空気をかき混ぜてくれて、しみ出した油分がカゴの底に貯まるオーブンだと捉えたほうがいい。他の製品と比べると角張っているので、洗い物はしやすい方で、それが頻繁に利用する上で心理的障壁を下げているように感じる(その代わり空気の循環がトレードオフになっているかもしれない)。

電子レンジのオーブン機能で冷凍フライドポテトを加熱するのが地味に手間だが、これを使うととても簡単だ。魚の切り身を焼くのにも使える。コンロのグリルを使わなくてもいいので掃除する場所も減る(私は、もうグリルを使うことはないと思って、排気口を封印してしまった)。冷凍唐揚げは、一度油で揚げられたモノはうまくいくが、揚げる手前で冷凍された唐揚げには対応できないと思ったほうがいい。ノンフライヤーとしての機能を求めるなら、たぶん他にもっといいモデルがあるだろう(買い換えてもいいかもしれない)。


PVCキッチンマット

キッチンマット クリア PVC 45×180cm 厚さ1.5mm クリアマット 台所マット 透明マット ソフト 撥水 おしゃれ 汚れ防止 お手入れ簡単 床暖房対応 滑り止め (180*45cm)

今回のキッチンでは、PVCの透明なキッチンマットを使用している。液体をこぼしても、モップで拭き取るだけで済む。物件の床を汚さないで済むし、洗濯機で洗わなくても簡単に掃除できるのがとても便利。今後も同じようなものを使い続けるだろう。


これを言ってしまうと身も蓋もないシリーズ1: 広いキッチン

最後に、装備というよりは環境的要素について。フルサイズのキッチンは本当に便利だ。自炊慣れしていないシロートの私のような存在にとって、横幅1メートルにコンロと流し台が集約されているようなユニットキッチンでの料理は、経験がない上でハンデを背負わされているようなものだ。広いキッチンがあるだけで、自炊の難易度はガクッと下がる。


これを言ってしまうと身も蓋もないシリーズ2: グロサリー店へのアクセス

2020年までは坂が多い地域に住んでいて、スーパーで食材を購入して自宅に持ち帰るためには必ず坂道を登らないといけなかった。これはかなりのハードルだった。首都圏で車は持っていないので徒歩がメイン、坂が多いこともあり自転車も持っていなかった。

いまは複数のグロサリー店へ徒歩5分以内にアクセスできる立地になったことで、食材を買いにいく行為に対する障壁がとても下がっている。隣のブロックのコンビニに行くレベルの感覚で、ただ税別100円のカットねぎだけを買うつもりで外出するのすら苦ではないレベルである。次に引っ越しするときも、スーパーなどが近い場所にしようと思う。


まとめ: 環境が揃ったら自宅ごはんが楽しくなった 

私はもともと、食事を準備するために時間をかけたくないと思っている。引っ越し前は、起きたらすき家に行って朝食メニューを頼むような生活をしていた。コロナウイルスが問題にならなかったら、こんなに普段から自宅でごはんを食べていなかったか、弁当などに依存していたと思う。1年前の食生活と比べて、1日あたりのコストはコンサバに見積もっても半額以下になっていて、冷蔵庫以外はすでに投資対効果は得られている。

使いやすいツールを揃えるということは、台所に対する苦手意識を和らげてくれて、場合によっては手間や苦痛を取り除いてくれるんだなあと改めて感じている。スノーボードでも下着やフリースなどをユニクロから山用に変更したときに、それまでの苦労から解放されてとても快適になった。自宅でごはんを食べるのも、同じようなものだなあと思う。

この一年間の食生活の変化は、自分の残りの人生の食習慣そのものを変えることになることを確信している。