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2021年12月30日木曜日

日本語訳:Apex Legends のALGSマッチを機械学習で解析した件 Using Machine Learning, I analyzed 2.3TB of competitive apex to track everything

This is a translation of Reddit  post Using Machine Learning, I analyzed 2.3TB of competitive apex to track everything into Japanese.

Apex Legends のゲームプレイについて機械学習を用いて分析した結果が Reddit に投稿されており話題になっていました。興味深い内容なので、翻訳サービスなどを用いて読んでいる日本の方も多いと思います。しかし、機械翻訳では判りづらい点もありますので、適当に日本語に翻訳したものを置いておきます。

英語にはあまり自信がなく、誤訳などもあるかもしれませんが、お気づきの点がありましたら @hasegaw までお知らせいただけますと幸いです。

予備知識

この投稿者は統計について研究されている大学院生で、 Apex Legends の ALGS 3大会のビデオから得られた情報をコンピュータに入力したり、もしくは関連するゲーム配信をコンピュータビジョンのアプローチから分析し、下記の内容の論文を書きました。

今回、コンピュータを用いてたくさんのデータを集計し、そこから規則性などを見いだす方法として機械学習(Machine Learning)と呼ばれるものが使われました。これは、最近AI(人工知能)として話題になっている技術のひとつです。

~~~

私は、以下の7つ問いについて分析した。

  • ジブラルタルは再現性が高く、そしてゲームを壊すほどに強力なのか?
  • コントローラ(Pad)プレイヤーは、本当に短距離の交戦を支配しているのか?エイムアシストは効きすぎているのか?
  • リコイルチートを使用するプロプレイヤーは存在するのか?
  • 最適な交戦時間は?
  • 最適な安置移動(Rotation)ははどれぐらいの速度か?
  • 最適なバックパックの構成は?
  • イロ(ELO)レーティングが最も高いプレイヤーは誰か。また、その理由は?


■概要

Kirk Matrix は、サッカーのランキングアルゴリズム Colley Matrix を基にカスタマイズしたものである。また、グループ競技における個人のレーティングのために、 Bradley-Terry ニューラルネットワークモデルを用いた。この方法は、シンプルな統計的原理と変数に基づき、柔軟で、バイアスがないようにしたものである。


わかったこと

ジブラルタル

ジブラルタルは時間あたりのダメージ量が(他のレジェンドより)低く、個人としての撃ち合いによる勝率が低く、受けるダメージ量も大きく、またキルタイム(TTK)が最も短い(訳者注:相手を落とす時間が短いという意味だと思います)。

ジブラルタルは、独立した(他部隊の介入がない)3v3 の交戦において、もっとも死亡しやすい。これは、次点のブラッドハウンドよりも 23.1% 高い確率であった。ジブラルタルは最もフォーカスされやすいキャラクタである。

ドームファイトによる交戦勝率は 50%-50% で、他のチームより特に優れているチームは存在しなかった。ドームファイトは平均48秒で、6人あたり4人がノックされる。

(訳者注釈)ここで言っているのは、接敵でジブラルタルが戦闘でフォーカスされやすく、落ちやすく、1プレイヤーとしての成績が低くなりやすいと統計的データに基づいて説明しているのであって、決して「チームとしての勝率が低い」という話ではありません。

他レジェンドとの入れ替わりもあるが、ジブラルタルのキャラクターとしてのELOは最下位であり、実証データもこれを裏付けている。


エイムアシスト

ALGSにおいては長距離交戦が非常に少なく、中距離交戦とまとめて扱う必要があった。

  1. ドームファイトの交戦勝率: KB/Mouse 54% : 46% Pad
  2. 短距離の交戦勝率: KB/Mouse 52% : 48% Pad
  3. 中・長距離の交戦勝率: KB/Mouse 51% : 49% Pad
  4. ワンクリップシーンでの勝率  KB/Mouse 38% : 62% Pad
  5. KB/Mouse の ADS 振り向き速度の優位性により、混沌としたドームファイトを制することを可能としている。
  6. エイムアシストがあったとしても、 Pad はあらゆる距離での接敵において KB/Mouse に対して劣っているが、一方でコントローラプレイヤーは即時キル(one clip)を繰り返すこともでき、良い結果にも悪い結果にもなる。
(訳者注:KB/Mouse のほうがトータルとしては優れているが、 Pad プレイヤーは下振れもすれば上振れすることも多いということになります)

チーター

驚いたことに、NA/EU/APAC NorthのALGSプレイヤーにおいてリコイルチートを使用するプレイヤーはひとりも検出されなかった。私はこの結果が正しいものと信じている。


最適な交戦時間

交戦時間よりも、サードパーティー(漁夫)がノックアウトを取るうえで大きな相関があると分かった。これは、間違いなく、キルフィード(キルログ)管理、サードパーティー(漁夫)されないこと、敵対チームの把握によるものである。なお、このセクションにおける知見は重大な欠陥があるため、断りなく使用するべきではない。

(※訳者注:要するに、うまく漁夫して、漁夫られないよう気をつけることが大事だとのこと)


最適な安置移動(Rotations)速度

ここでも、私は明確な答えを見つけることができなかったが、興味深い発見があった。 KB/Mouse プレイヤーの移動速度は、 Pad プレイヤーの移動速度よりも平均 6% 速いのである。この違いは、ランドマークからランドマークまで(??)の移動で、壁キック2回、スライドジャンプ4回に相当するものである。 Pad プレイヤーは、これらの動きを追加することにより、(※訳者注:何に対して?)移動を約 16 秒短縮できるかもしれない。


最適なバックパックの構成

残念ながら、こちらも明確な答えを見つけることができなかった。ただし、金バックパックをを持っていることが、Apex Legendsのどのアイテムよりも、勝利と強い相関があった。


上位ELOレーティング

(※訳者注:ELOレーティングとは、平均的な実力のプレイヤーと接敵した場合に予想された勝率に推定したものとされる。Wikipediaによれば対数が使われるとのこと。Redditの投稿にはELOのどこのように算出したかは記述がないが、投稿の最後にあるリンクを読み解けば細かいことがわかるかもしれない)

  1. Ras .9987

  2. Senoxe .9363

  3. Lou .9246

  4. Dezignful .9244

  5. Mo-Mon .8331

  6. Sweet .8075

  7. Genburten .8009

  8. Hardecki .7977

  9. Dooplex .7865

  10. Ojrein .78647

ImperialHalはわずか .00002 の差で次点。

  1. Hal .78645

利用したモデルはRasによって破綻されられるほどで、RasはELO算出に用いられた12の変数のうち11つが並め〜低いのだが、接敵時の移動速度については例外だ。接近戦やドームファイトにおいて、他の ALGS プレイヤーと比較して、Ras はわずか3分の1のダメージしか受けない。

現在のところ、Rasと他の競技者との差は、おもに彼の移動テクニック(※キャラコン)によるものである。他のプレイヤーが同等のテクニックを極めた場合、この差は大きく縮まるかもしれない。


私の経歴について:統計学の学士号、修士号を所得。本内容の論文を提出しており、通過し次第(2~3日)、本分析のグラフやデータを公開できるようになる見込みです。

使用したツールについて:すべてのツールはパブリックに利用可能なものですが、フォークされ、私の特定のニーズに合わせてカスタマイズされています。

〜〜〜

「所詮AIの判断だろ」といった意見もありますが、これは機械学習アルゴリズムを用いてALGSの成績を定量的に分析した結果なので、ALGSという限られたマッチ本数での分析によりバイアスはかかっているのでしょうが、ここに書かれた分析の範囲では、だいたい正しいことだろうなと思っています。

私は以前 IkaLog というスプラトゥーンのビデオから自動的に戦績を解析・出力するソフトを作成し、これを stat.ink というサイトがとりまとめ、蓄積されたデータを基に分析する方もいらっしゃったのを思い出しました。ゲームとはいえ、データを分析して考察するのはとても面白いですね。 Apex Legends に限らず、色々なゲームで、一般プレイヤーのプレイも含めて、このような分析ができると、いろいろと面白いのでしょうが。


おまけ:過去に投稿して話題になったツイートのスレッド。ネットゲームのチート対策は攻撃者のほうが有利で、対策は色々と難しいところもあるということを感じてもらえればと思います(もちろん、マッチしてしまうプレイヤーとしてはたまったものじゃないですが)。

2021年4月10日土曜日

高リフレッシュレート対応4K液晶ディスプレイ ASUS ROG Strix XG27UQ を購入した

2022/6 追記

本記事は 144Hz 4K ディスプレイの選択肢がまだほとんどなかった頃に XG27UQ を購入した際の内容です。

どうしても DisplayPort 入力が2ポート欲しい、 4K 144Hz 仕様としては割安なディスプレイが欲しいという理由であれば XQ27UQ を候補になると思いますが、そうれでなければ、現在では LG 27GP850 をはじめ複数の HDMI2.1 対応 4K ディスプレイが流通しています。これから検討される方は他の 4K 144Hz ディスプレイも確認されることをお勧めします。

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高リフレッシュレートなディスプレイに買い換えようと思って以来半年近くたち、ようやく本命のディスプレイが手元に届きました。



今回のXG27UQは2021年2月に国内向けに発表されたモデルで、これまで秋葉原などでお店を回っても実物を見かけることはありませんでした。発表当初にすぐ予約された方は2月中に入手できたようですが、4月に入ってようやく実物が届いたぐらいで、現時点で欲しくても実物を見られる方は限られていると思います。このモデルは実売で10万円近くしますし、「失敗したくないので少しでも多く情報が欲しい」という方もいらっしゃるかと思います。このため、所感をまとめておくことにしました。

調べてみると、メーカーからテスト機を借り受けたブロガー等がすでにレビュー記事を投稿されていますし、そういった方でカバーされている分については、そういった記事にお任せすることにしました。私の記事では、他の記事ではあまり触れられていない部分について触れていこうと思います。


ファースト・インプレッション編

マニュアル冊子が付属していない

本製品は付属品として製品保証についての冊子、1枚っきりのクイックスタートガイド、およびキャリブレーションレポートが付属していますが、マニュアルは同梱されていません。スタンド部分を外す方法がわからずに困っていたところ、 ASUS のサイトにはマニュアルが PDF で存在していることがわかりました。

https://dlcdnets.asus.com/pub/ASUS/LCD%20Monitors/XG27UQ/XG27UQ_Japanese.pdf

マニュアル冊子なんて一度使い始めたらほとんど見返すこともないのは事実ですし、意図的に省略されているのでしょう。とはいえ、 10 万円近いモニタですし、今回の製品はマニュアルを見ないとよく判らない機能やギミックも積まれているモデルです。紙媒体でマニュアルが付属されていたり、もしくは少なくともURLや検索キーワード、QRコード等でもよいので、マニュアルへの案内があると良かったなと思いました。


日常の利用編

複数ソースの切り替えが面倒。ファームウェア更新による改善を期待

XG27UQ は DisplayPort 2入力、 HDMI 2入力で合計4入力利用できる点がひとつの特長です。ディスプレイです。しかし、ディスプレイの入力を切り替えるためには画面裏側右手の赤いスティックを使い、クリック→下→下→下→右と操作し、その上で入力ソースをスティックで選択する流れになっており、煩雑です。

赤いスティックの下にはゲーミングモードを設定する画面へのショートカットがふたつあります。これらのボタンで、GamePlus設定画面、およびGameVisual設定画面への直接遷移できるようになっていますが、たぶん、私は、どちらもほとんど押す機会がないでしょう。これらのボタンから入力ソースの切り替え画面へ遷移できるような設定が可能となるファームウェアアップデートに期待したいです。複数の入力ソースを接続する方の多くは、同じような感想をお持ちになるのではないでしょうか。


USB3.0ハブ機能は、ディスプレイの主電源と連動/非連動が選べる

XG27UQ は USB3.0 の2ポートUSBハブ機能を搭載しています。私の場合、ダウンストリームには、ディスプレイの付近にあるデバイスとして、Webカメラとして利用している一眼デジタルカメラ(Canon EOS Kiss X6i)とアイトラッカー(Tobii Eye Tracker 5)を接続しています。ディスプレイ自体にこの機能を求めてはいないのですが、セットアップがすっきりした点についてはメリットを感じました。


このUSBハブ機能はディスプレイ機能と独立して動きますが、ディスプレイの主電源がオンの状態でのみUSBハブが動作する連動設定と、ディスプレイの主電源の状態にかかわらず外部電源が供給されていればUSBハブが動作する非連動設定のどちらかを選ぶことができます。

工場出荷時は主電源と連動する設定になっていますが、私の場合で常時通電のデスクトップPCとの組み合わせで利用するため、USBハブが常時動作する設定に切り替えました。


ディスプレイアームとの組み合わせ利用について

XG27UQ はディスプレイアームへの取り付けに対応しています。ただし、アームの取り付け時に標準スタンドの取り外し方がすぐに判からず、マニュアルを見ながら試行錯誤したほか、この機種特有の考慮点があるので、ここで紹介したいと思います。



標準スタンドの取り外し方

この作業には、化粧パーツの取り外しにマイナスドライバー、M4ネジを付け外しするためのプラスドライバーが必要です。

工場出荷時にはスタンド用の足が取り付けられた状態になっています。足のまわりにある半リング形状の化粧パーツを取り外します。スタンドの裏を覗き込むとマイナスドライバーを差し込める隙間があるので、ここにマイナスドライバーを差し込んで化粧パーツを引き上げます。

パーツが浮いてきたら、半リング形状の化粧パーツ2点を、ディスプレイ本体から平行に離すように取り外します。取り外し時に多少力をかける必要がありますが、樹脂パーツ自体は十分な強度があるので、丁寧に外せば問題ありません。この作業を終えると、VESA規格のM4ネジが4本露出します。

足のまわりに見えてきたVESA規格のM4ネジを4本はずすと、標準スタンド用の足がはずれて、ディスプレイアームを取り付け可能な状態となります。

半リング形状の化粧パーツは取り外したスタンドに取り付けられるので、保管時にはスタンドにはめて保管しておくとよいでしょう。


VESAマウントのネジ穴は25mm の窪みの中にある

ディスプレイアームの種類によっては、カメラのクイックシューのように、あらかじめディスプレイ側に小さな部品を取り付けておいて、設置済みのディスプレイアームに固定できるような機能をもった物があります。このような場合VESA標準のネジ穴のまわりに十分なクリアランスが必要です。また、スタンドを非純正品に交換した場合にも注意が必要なポイントでしょう。

今回は colebrook bosson saunders 製の Wishbone ディスプレイアームに取り付けるつもりでいたので、この部分は気になっていましたが、結果的には十分なクリアランスがあり、Wishbone アームに対して、問題なく載せたり外したりできることが確認できました。 


ディスプレイアーム利用時、ビデオ用ケーブルを完全に隠せない

XG27UQ は下側から DisplayPort/HDMI などのケーブルを差し込みます。標準スタンドを利用する場合にはあまり気にならないでしょうが、ディスプレイアームに載せる場合は、ビデオ用のケーブルが正面から見えてしまう可能性があります。

がんばって隠すことも不可能ではないのですが XG27UQ は DisplayPort 1.4 に対応した 4K 144Hz 対応のディスプレイで、これを利用する場合には DisplayPort 1.4 に対応した比較的太いケーブルを使用することになるのではないでしょうか。

しかし、上向きに刺さった太いケーブルをディスプレイの裏側で片付けるだけの十分なスペースがないため、正面から見たときには、ビデオ用のケーブルはディスプレイの下側に少し見えるぐらいのセッティングに落ち着くかと思います。もちろん気合いで見えないように隠してもよいでしょうが、アームを動かしたときにケーブルやコネクタに負担がかからないようにある程度の遊びも必要ですし、この点は諦めることにしました。


その他編

当然ながら 4K 144Hz には高品質なケーブルが必要

これまで、2012年に購入した 7m の DisplayPort 1.2ケーブルでPCとディスプレイを接続し、4K 60fpsで動作させていました。このケーブルを利用していたのは諸事情により「手元で余っていた」というのが最大の理由です。(今でも未使用の新品が1本手元にあります...)

このケーブルでも 4K 144Hz はいちおう映ったのですが、不定期に画面がブラックアウトする現象が発生しました。恐らくケーブルの品質的に映像信号が時々乱れているのだと想像できます。

FullHD 144Hz に対して 4K 144Hz は時間あたりに表示するピクセル数が4倍になります。このためビデオケーブルの中を流れる信号の速度が上がっています。 Wikipedia の DisplayPort ページで調べてみたところ、 4K 144Hz は DisplayPort 1.4 仕様からの仕様で、ケーブルの中を 25.92Gbps の信号が流れているようです。 1.2 の時代は 17.28Gbps だったので、データの転送量が1.5倍になっていて、恐らくそれだけDisplayPortケーブル内のビットクロックも上がっているようです。

ディスプレイに付属する DisplayPort 1.4 ケーブルを利用することも考えましたが、手元では昇降デスクやディスプレイアームを利用しており、 3m 程度のケーブル長を必要としていたので、 3m の DisplayPort 1.4 対応ケーブルを購入して交換しました。

また、ビデオカードの DisplayPort コネクタの片方が緩いようで、本体への衝撃ですぐブラックアウトしてしまう事があったので、もう片方の DisplayPort コネクタに装着して安定を確認しました(ビデオカードのメーカー保証で交換依頼をしてもいいかもしれませんが、手間を考えるとこの対応でいいかなぁと思っています)。


MacBook Pro 16インチ (2019) から HDMI で 4K 60Hz で安定出力できている

MacBook Pro から 4K 解像度で出力する際になかなか安定しないイメージを持っていましたが、XG27UQ では HDMI ケーブルを接続するだけで 4K 60Hz で出力された点が拍子抜けでした。ここ一週間ほど、ノートラブルで動作しています。

LG 社のディスプレイでは 4K 60Hz を受け付けるためには追加の設定(DeepColor)が必要だったりして、この設定を行うと映る時と映らない時があるなどしてストレスを感じたので DisplayPort 接続による 4K 60Hz もしくは HDMI 接続による 4K 60Hz を使い分けていました。

不都合が感じたら DisplayPort での 4K 60Hz に切り替えることを考えるでしょうが、実用上問題を感じないうちは、試しに HDMI の 4K 60Hz で使ってみようかと思います。


まとめ

XG27UQ は、4系統入力の4K解像度・高リフレッシュレートディスプレイとしては期待通りの仕上がりだと感じています。

一点だけ不便な点を挙げるとすれば、入力系統の切り替えに必要な操作数が多いことです。この部分は4系統入力を魅力に感じて購入するユーザーにとっては非常に重要なポイントです。もしエンドユーザ側でファームウェアアップデートが可能な仕組みが用意されているのなら、後からでも改善できる点ですから、ASUSには是非検討を御願いしたいところです。

これまで液晶ディスプレイといえばシャープ、LGなど自社で液晶パネル技術を製造できるメーカーの製品を利用していました。今回のASUS ROG XG27UQは実売価格で10万円近くするモデルで、下手な4Kディスプレイの2倍以上の価格です。ASUS自体は液晶パネルを作れるわけではないので買ってきている(というか製品規格だけで、他メーカーに仕様を指定して生産させている可能性も高い)メーカーですので、正直に言えば、そういったメーカーの製品を選定すること自体に抵抗もありました。最初の一週間から「買わなければ良かった」みたいな悪い印象にもならず、ホッとしています。

To Be Continued

フォトトランジスタを使って応答速度などをの特性を測定しているため、結果がまとまったら続編としてまとめたいと思います。

2021年3月14日日曜日

ゲーミングディスプレイは本当に役に立つのか?

2021年にもなって、久々にFPSとしてApex Legendsをプレイしている。ヘタクソなのはそうなのだが、恐らくこの半年間でPS4 Pro/PC版あわせて700~800時間はプレイしているはずだ。久々にFPSをプレイしているので、ゲーミングディスプレイを試して、比較してみることにした。

ゲーミングディスプレイに対する謳い文句への懐疑感


これまで LG 27UD55-BK と LG 27UL850-W (どちらも 27インチ4K液晶)をデュアルディスプレイにしていて、このうち、 2020 年に購入した 27UL850-W をゲームプレイに使用していた。このディスプレイはどちらかと言えば発色などがキレイなことがウリだ。

もちろんリフレッシュレート60Hzの液晶ディスプレイが十分だとは思っていなかった。もともと私は初めてのFPSといえば液晶ディスプレイが普及する前である1990年代の初代DOOMだし、また2000年前後は三菱のダイアモンドトロン管ディスプレイ RD17V で、100Hz 程度のリフレッシュレートでFPSを遊んでいた経験があるので、液晶ディスプレイかつ60Hzが大きな制約であることは理解していた。敢えていえば液晶になる前なら100Hz程度は当たり前だった。また最近のトレンド Oculus Rift などのヘッドセットを見ていても、60Hz では不足だが 90Hz もあれば脳を騙せることが知られているので、60Hzで足りなくても、100Hzぐらいの頻度で更新されれば十分だろうと思っている。

しかし、周りのプレイヤーからは「60Hzよりも高リフレッシュレートのほうがよい」だけで終わらず、「敵レジェンドが止まって見える」「ディスプレイを変えるだけでキル数が増える」などという主張をされるし、販促ビデオでは相手より素早く反応できると謳われている。果たして、そこまでの効果があるのだろうかと、懐疑的に思っていた。

買おうと決意したものの、欲しいものの在庫がない


とはいえ、そろそろゲームに適したモニタが欲しくなってきた。コロナ禍でほとんど外出することもなく、スノーボードは2シーズン連続でスルーしており、月々の大きな支出としては家賃とメシ代(自炊するようになったため2年前の1/4〜3/1ぐらい)ぐらいなのだ。この半年で FPS を500時間以上プレイしているのだから、多少投資してもいいのではないだろうかと。

実は 11 月頃にゲーミングディスプレイの購入を決意したが思ったようなモデルがなく、2月に ASUS が発表した XG27UQ (4K 144Hz)をバックオーダーしている状態である。手元の古いLG 27UB55(27インチ 4K)で何十秒も残像が出る不具合が出ているので、買い換えるなら、同じ利用感で仕事にも使えるゲーミングディスプレイを、と思い、このモデルにたどり付いた。

しかし、昨今の自動車をはじめとする部品不足問題のためか中々納期が確定せず、少なくとも3月中にも手に入らないことがほぼ確定的になった。この機種に限らず、ある程度スペックや型番にこだわりを持って液晶ディスプレイを購入しようすれば、流通量の少なさにすぐ気づくだろう。正直なところ現時点で表示されている納品時期が守られるのかも判らない。

とりあえず、繋ぎのつもりで買ってみた


今回は MSI Optix G241 を購入してみた。スペックを妥協して市中在庫から選べば3万円でお釣りがくる価格感だ。半年近く「ゲーミングディスプレイの在庫がネェ……」と考える日々が続いていたことを考えたら、さっさと買ってしまったほうが精神的に良かったのではないかとさえ思える。

中途半端なものを買いたくなかった最大の理由は、設置場所の都合だ。27インチ×2+MacBook Proでギリギリだったが、やむを得ず、なんとか3枚目のディスプレイを追加した。ディスプレイアームに載せてあるので利用シーンによってある程度片付けたり引っ張り出したりはできる状態にある。

とりあえずの印象


早速 Optix G241 を Windows PC に繋げてみると、マウスカーソルの動きがかなり滑らかになった(というか見える残像が増えた)のはすぐわかり、印象的だった。ウインドウのドラッグなども全体的に滑らかになっているのもわかる。

Forza Horizon 4 を動かしてみると 60Hz と 144Hz では高速道路を高速巡航しているときに横を流れていく鉄柱の滑らかさが印象的だった。

過去に多少試したことがある Aim Lab を改めて試してみると、これまで 30,000 点ちょっとの印象だったテストで 50,000 点台が出てきて驚いた。ただ、ディスプレイの変更だけでなく自分のプレイスキルの向上もあると思うので、そこは考慮しないといけない(特に最近は Apex Legends の仕様アップデートに伴いウイングマンでの練習をはじめている)。


ゲーミングディスプレイによるメリットはこの時点である程度体感できていたが、もう少し定量的に比較してみることにした。

比較環境のセットアップ


今回は GPU (Radeon RX 6800 XT)から、これまで使っていた 27UL850-W (60Hz 4K 5ms) と今回の Optix G241 (144Hz FullHD 1ms) を DisplayPort で同時接続し、 Windows の機能で両方のモニタに映像をミラーする。なお、 Windows の機能で画面をミラーした場合に遅延が増加するかどうかは判っていなくて、この部分を定量的に測定する方法を持っていないので、この観点については無視する。

フレッシュレートは各ディスプレイの最大値が適用されているので、従来のディスプレイでは 60Hz 、ゲーミングディスプレイでは 144Hz で表示される状況となる。これで、どちらを見るかだけで利用できるディスプレイをスイッチできる環境ができた。

定量的に比較できるように、引き続き Aim Lab を使って、プレイ中のディスプレイの表示状況をデジタルカメラのビデオ撮影機能で 60FPS 撮影し比較することにした。ディスプレイの前に三脚を立てて、富士フィルムのX-T3カメラで両方のディスプレイを撮影できるようにした。ひとつのカメラのセンサで両方のディスプレイの出力映像を記録することで、1コマ単位で見比べて比較できる。

もちろん、本来 60Hz と 144Hz の違いを検証するのなら 60FPS では不十分だ。少なくとも 144Hz の倍の 288Hz(FPS) 前後のフレームレートで撮影したほうがいいだろうが、私はそこまでの機材は持っていないから、手持ちの機材でできる範囲での検証とする。


写真左側が LG 27UL850 、右側が MSI Optix G241だ。

なお、正面からの撮影ではないとはいえ、この写真で見ればわかるとおり、発色については Optix G241 に対して 27UL850 のほうが圧倒的にキレイだ。手元で試している限り、 27UL850 と比較できる環境で見れば、 Optix G241 は全体的に色褪せて見える(色温度などの設定でカバーできる範囲ではない)。これらは両方とも IPS パネルだ。


応答速度を比べてみる


とりあえず動画撮影をしながら、両方のモニタで Aim Lab を比較してみたところ、今回購入した G241 のほうがボヤケが明らかに少ないことがわかった。このため目が疲れにくい印象を受けた。これは動画からフレームを切り出してみても判る。


この写真では下にあったターゲットをエイムしてから上にあるターゲットに移ろうとしているが、その際に27UL850ではひとつ前のフレームが残像として映っている。実物では、この残像がボヤけに見えている。Optix G241では、この残像感がとても抑えられている。60Hz 5msのスペックを謳うディスプレイの残像は、デジタルカメラを用いて60フレーム/秒で撮影したレベルでも十分に記録できるほどだった。

表示遅延を比べてみる


録画を確認するとOptix G241のほうが常に若干新しいフレームが描画されていると感じられる。実際には144Hzのリフレッシュレートで更新されていることもあり、操作に対してダイレクトにフィードバックがかかるので、エイム操作がしやすくなる感覚はあった。

動画の各フレームを確認していくと、以下のフレームが見つかった。28UL850では過去のフレームに対して新しいフレームが表示されようとしており、Optix G241ではより新しいフレームが表示されている。


どちらのディスプレイでも、いちばん右のターゲットにはこれから表示される武器の陰がかぶっているが、このかぶり方が非常に似ているのは面白いポイントだと思う。144Hzのほうが明らかにより新しいフレームが表示されている。しかし、60Hzモニタは更新頻度が低いとはいえ、特別に遅延が大きいわけではないようだ。

遅延がどれぐらいあるかはカウントダウンの瞬間などを比較するとわかりやすい。5,4,3...とカウントダウンがなされる時の60Hzディスプレイでの描画の遅れは、表示開始までの遅延は1フレーム(16.6ms)前後、表示が安定するまで2フレーム(32.2ms)未満だった。



1/144秒毎に更新されているディスプレイとの比較として考えると、1/60秒毎にしか更新されておらず、画面の残像感が1フレーム分残る液晶パネルであることを考慮すれば、妥当な挙動だ。32.2msはデジタルカメラの撮影機能が60FPSであることから想定した最悪値だ。実際の遅延はこれより少ないだろう。

ゲーミングディスプレイの宣伝文句は本当か?


ゲーミングディスプレイの宣伝文句として「フレームレートが高いほど、相手がより早く見える」といった表現がされていたり、それをイメージさせるデモ映像がある。

今回の比較を見る限り、あの宣伝文句はかなり大げさな表現だが、一般的な 60Hz ディスプレイと比べれば確かに10~20ミリ秒ほど早く画面上に敵が映り込んだり、より新しい位置に敵が見えたりするのは事実だろう。

とはいえ、10ミリ秒を切ってくると現在のインターネットにおけるピア間の遅延のほうが大きくなりうるし、それをごまかすための補間や予測などもされているわけなので、まあ、そうね、というレベル感で捉えている。

実際のゲームだとどうなる?


同じように Apex Legends でダミー撃ちする映像をフレーム単位で見てみたが、複雑なApex Legendsの画面は144Hzを60FPSで録画しても、複数フレームが同時に映りこんで逆に破綻した画像になってしまった。体感と異なり144Hzの画像のほうが見づらく、紹介に紹介するような内容にならなかったので、ここでは省略する。

感覚的には、マウス操作による視線移動が発生した場合にダミーや周りの景色がはっきり見えることにより、プレイしやすくなると感じた。

ゲーミングディスプレイはゲーミングディスプレイだった


今回、はじめて60Hzを越えるリフレッシュレートに対応した液晶ディスプレイを買ってみたが、ゲーム画面が見やすくなるなどのメリットが確認できた。特に、 FPS のように視点移動によって画面の表示が大きく変化するようなゲームでは、残像感が大幅に減少するため、疲れにくくなりそうだ。

まだ「ゲーミングディスプレイにするだけでキル数が伸びる」かどうかはわかっていないが、ぼちぼち実践で試してみようと思う。