3Dプリンター向けのフィラメントを乾燥させるには何等かのフィラメントドライヤーが必要です。私は正直あまり何も考えずに Creality Space Pi フィラメントドライヤーを買いました。Creality Space Pi フィラメントドライヤーを利用するにあたって気づいたことをまとめてみます。
どうしてこのドライヤーを選んだか
買うにあたって「これでいいや」と考えたポイントは以下でした。
- 置き場所の制約から1スプール用のドライヤー
- ドライヤーからプリンターにフィラメントを直接フィードできる
他のフィラメントドライヤーと比較したことがないので良し悪しはわからないですが、とりあえず結果的に使えているので大きな問題は感じていません。ただ、この代わりになるものを買い足すのなら、次はコンベクションオーブン等を買ったほうがよいと思っています。
使ってみて気づいたこと
乾燥温度が70度までしか上がりません。 ABS や TPU などのフィラメントでは 80 度前後の乾燥温度が推奨されていることがありますが、このドライヤーではそこまでの温度に上げることはできません。代わりに乾燥時間を長めに設定することで対処します。
フィラメント供給用の穴がありますが、ここからフィラメントと裸で供給するなら問題ないかもしれませんが PTFEチューブで保護した状態で3Dプリンターに送り出したい場合は部品交換したほうがよさそうです。この点については後述します。
スプールがある程度回転するよう、小さなローラーで支えられていますが、ダンボール製スプールなどは安定して供給できないように見えます。複数の理由から、ダンボールスプールに巻かれたフィラメントはプラスチック製のスプールに巻きなおしてから乾燥をはじめるのが正解と思っています。この点についても後述します。
ディスプレイ画面部分が脆いです。タッチパネルとして指で押すだけでも表示が崩れることがありますし、メンテナンスのときにディスプレイ部分を下にして置いたら、壊れたかなと思うぐらいに表示がバグったことがあります(最終的に元に戻りましたが)。温度や時間を操作できなくなると完全なゴミと化します。ここは利用上の注意が必要そうに見えます。ディスプレイ保護フィルムなどを貼っておくのも保険になるかもしれません。
フィラメント供給用穴のアップグレード
ドライヤーの中からフィラメントを供給したい場合のために穴があり、ゴム状のフタがついています。ここからフィラメントを直接供給する場合はよいのですが、せっかく乾燥させたフィラメントを、吸湿を防ぎながら3Dプリンターに送りたければPTFEチューブで接続したくなります。
超初心者な私は、ドライヤー本体のゴム状のフタにPTFEチューブを刺してつないだのですが、特に固めのフィラメントだとPTFEチューブが抵抗にまけてフィラメントドライヤー内に引き込まれ、スプールに巻き付くというトラブルになり大変な思いをしました。また、フィラメント押し出し量が不安定になり造形不良につながっているかもしれません。
解決先として、フタをこちらに含まれる PC4-M6 の継ぎ手に交換しました。
こちらには長めのPTFEチューブも付いており、フィラメントの供給用にもちょうど良いです。取付には別途M6のナットが必要です。通常のナットだと必要以上の高さがあるので 5mm 程度の M6ナットを3Dプリントしてもよいかもしれませんが(その場合70度の乾燥に耐えるフィラメントを使う必要があります)
Aurooooa 50個入 M6 六角ロックナット ナイロン ロック ナット 高さ6mm 六角幅10mm 304ステンレス鋼 ナイロンインサートセルフロック
このコネクタを取り付けることにより PTFE チューブを本体のフィラメント排出穴に取り付けできるようになり、PTFEチューブで保護した状態で3Dプリンターに送り出せます。
ダンボールスプールからプラスチックスプールに巻き直す
ダンボールスプールに巻かれたフィラメントを乾燥したり造形に使用したりするには以下の問題があると考えてました。
- ダンボールの吸湿性がそもそも高いので、乾燥させたフィラメントがまたダンボールを通じて吸湿する可能性がある
- ダンボールスプールのまま Bambu AMS やドライヤーのローラーの上で回すとしても、送り出しに抵抗が発生してうまくいかない
- ダンボールスプールとローラーが接触する部分を保護するためのリングのモデルが存在するが、PLAなどで造形したこのリングは70度の乾燥に耐えられず歪んでしまう(PAなどで造形すれば使える?)
- ダンボールが摩耗し紙の粉が発生するとフィラメントに不純物が混じる可能性がある
こういった理由から、手元では、ダンボールスプールに巻かれたフィラメントはプラチックのスプールに巻き直して使用するほうが遥かに扱いやすく、トラブル切り分けをシンプルにできるため、悩みたくなければ開封してまずはプラスチックスプールに巻き直してしまったほうが良いと考えています。
いまのところ問題ありません
手元では以下のフィラメントリワンダーを造形し、余っている Bambu の再利用可能スプールに巻き直しています。最初は道具なしで巻き直してみたのですが、それではきれいに巻き直すことができませんでした。手作業で苦労して巻き直しているうちにフィラメントに不純物が付着したり、巻きが汚くなったりすることで送り出し~造形時の安定性にリスクを感じました。スプール間の巻き直しに道具は必要です。
Filament Spool Switcher for Bambulab AMS and AMS Lite
このフィラメント巻き器は特に Bambu スプールの径にあわせて作られているので、手元のニーズにあっています。巻取り先スプールが別のものであれば別の巻き器のデザインを見る必要があるのかもしれません。
0 件のコメント:
コメントを投稿